機動戦士ガンダム 水星の魔女 第1クール(1~12話)ネタバレなし中間感想

3ヵ月間概ね楽しんで視聴できました。
2クール目も期待しています。
今回は客観的な目線で良い点と気になる点を書いていきます。

※今回はネタバレを極力含まないようにしていますが、説明のためどうしても必要な場合は記載しておりますのでご容赦を。

作品概要

「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」以来5年ぶりとなる、「ガンダム」新作TVアニメシリーズ。
今回はテレビシリーズ初の女性主人公や学園を舞台とする青春ストーリー、百合要素などを含め新規層獲得に向けた作品となるようです。
監督に「鉄血のオルフェンズ」でも絵コンテを担当した小林寛氏、シリーズ構成・脚本に「コードギアス」シリーズなどの大河内一楼氏を起用。

公式サイトhttps://g-witch.net/

〇良かった点

シルエットで一目で区別できるキャラクター造形

公式ページを調べていて、真っ先に目を引いた点です。

キャラクターデザインはモグモ氏。
昨今ではソーシャルゲームを中心にキャラクターの見た目や衣装のディティールの細かさが重視されているような気がするのですが、
本作は線数を極力少なくし、印象的なデザインを目指したとのこと。

この点は視聴者側にもしっかりと伝わっており、キャラクターの顔と名前がすぐに一致しました。
スピーディーな展開と情報量の多い本作に付いていくことが出来る良デザインと思います。

個性的・魅力的な登場人物と関係性の深み

個人的に1クール目ではスレッタ、ミオリネに並ぶメインキャラの御三家・グエル、エラン、シャディクの男子3人が大変魅力的だったと思います。
普段はどちらかと言えば女の子を推しているのですが、こちらの3人は事情を抱えながらもできることを精一杯やっている良いキャラでした。

キャラクターや関係性の描写自体も繊細で、行間を妄想するのも楽しく、現にSNSで多数のファンアートが投稿されています。

また、百合要素のあるガンダムということですが、蓋を開けてみるとそれ以上に男女カップリングが充実していました。
ガンダムに初めて触れる方、女性の方や若者向けにかなり見やすいものになっているかと思います。

情報量・考察要素が多く、SNSの話題性が抜群

1話ごとの情報量が多く、演出も相まって考察を楽しめる要素が多い。
各話放送後にトレンドを席巻するのも頷けます。

ただ、世界観や各勢力の目的など重要事項が未だ開示されていないため、
SNS上で流れている考察は良くも悪くも当てにならないという点は頭に入れておきたいところです。

〇気になった点

MS戦が少ない

「機動戦士」の名前を外しても成立するのではと思うほど、SFロボットアニメの花形である戦闘シーンが少ないのは物足りなかったです。
学園内のMS戦である「決闘」と称した私闘も11話までで実施したのは半分ほどで、数話続けてMS戦がなかったこともありました。

ガンダムと名前が付いて商品展開を行っている以上、2クール目ではおそらく増えると考えられますが。
また、物語上の制約もあるかと思うのですがMS戦自体も飛び道具(ビット)を利用した戦闘ばかりで、映像的な見応えはイマイチに感じました。

あと、これは個人的な好みになるのですが、MSがあまり格好良くない。
エアリアルは改修型が好きなので古典的な型の方が好きなのだと思います。
一番最初に見たのがガンダムSEEDで、フリーダムガンダムが気に入ってるからでしょうか?

12話終了時点で本筋があまり進んでいない

序盤は爽快感がありかつ謎が深まる展開が多く、特に5、6話は筋書きとしてはオーソドックスながらも、各キャラクターの活躍、台詞回しやMS戦含めて演出など完成度が大変高く、この辺りからリアルタイムで視聴するようになりました。

しかし、続く7話~11話は表面上は明るいが多数の伏線が貼られ不穏な空気感と同時に物語としては停滞感が続いており、1クール目最終話の12話で突然大きく動くような形になりました。
が、多数の謎を残したまま前半が終わっている状態です。

毒親、格差、階層社会など提示されている問題が山積していますが、分割2クール放送予定とのことで残り12話で終わるのか。
もしかして同じ制作会社の「半妖の夜叉姫」のように4クール作品になるのでしょうか。

本筋が進まない一方でSNSの話題性を狙いすぎている部分も気になりました。
とある発言が発端であろうグエル推しの強さと、8話で出されたとある映像はちょっと付いていけなかったです。

一部描写が露悪的で好みが分かれる

まず、いくつかのメディアで取り上げられた
「ガンダム初心者にもおすすめの明るい学園もの!」という触れ込みはかなり悪意があると思いました。

確かに歴代シリーズに比べネームドキャラの死はほとんど描写されていないのですが、
それ以上に質の悪い描写が結構あります。

贔屓しているキャラクターなどにもよりますが、実際途中で視聴をやめた人もいるようです。
あと、学園ものと称する割には学生生活感のある描写はそこまでありません。
むしろ該当描写は不穏な雰囲気が常に湧き上がっている物語上では浮いています。

筆者は長年オタクをやっているため人死にや鬱描写など大抵の辛い描写は慣れていると思っていましたが、それでも心が折れそうになった場面がありました。
後半は毎週胃が痛くなりながらも視聴していました。

逆に言えば、歴代ガンダムシリーズを視聴されていた方も新感覚の地獄を楽しめるということですが。

停滞している主人公とヒロインの少女2人

主人公のスレッタ・マーキュリーとヒロインのミオリネ・レンブランですが、2人とも現時点では物語を引っ張る力があるかというと疑問があります。

スレッタは、「ガンダムTVシリーズ初の女性主人公」ということですが、それ以上に主人公として見るとかなり独特なキャラクター性を持っています。

色々な意味で「良い子」で、部分的には共感できる側面もあるのですが、同年代の人と交流がほとんどない特殊な環境で育ち、(かなり胡散臭い)一人親の影響も強く、一般的な感覚や思考とかけ離れているようなところがあり、見ていて違和感を覚える部分があります。
主人公に据える子の設定としてはかなりチャレンジングと思います。

ヒロインのミオリネは、眉目秀麗でハッキリとした物言いのお嬢様で、
頭の回転が速く、無意識に他人を見下していて高圧的な部分は少しだけ(コードギアスの)ルルーシュを想起させるところがあります。
しかし、温室育ちで守られていた子のため考えの甘い部分が目立って描かれていました。

2人に関しては関係性も成長も1歩前進しては後退しているような描かれ方のため、2クール目はしっかり成長を描いてほしいところです。

水星の魔女・中間感想:2クール目に期待

こんな人におすすめ!

・キャラクターの関係性に萌えたい人
・考察、考えさせられる作品が好きな人
・ガンダムシリーズに興味がある人、歴代シリーズが好きな人

ここまでの全体的な作風はいつもの大河内一楼氏と言ったところでしょうか。
最大の魅力はキャラクターと関係性、演出と相まって考察が捗るストーリーになります。
ガンダムシリーズに始めて触れる方はもちろん、コードギアスや革命戦記ヴァルヴレイヴなど大河内一楼氏の過去参加作品がハマった方は楽しめるかと思います。
ただ、個人的には5~6話がピークで後半の8~11話が停滞回という印象が強く、あと12話で本作の問題がすべて解決できるのかどうかが心配ではあります。

12話が大変気になる幕引きで終わっているため、視聴しようかどうか迷っている方は、4月の2クール目が始まる直前に見るのが良いかと思います。
SNSでの考察合戦が盛り上がるタイプの作品ですので、可能な限りでリアルタイム視聴が一番おすすめです。